【マグマ編】

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マグマは2度移転しましたが無くなってしまったようです。
このサイトは2005年9月時点のマグマです。閲覧のみ可能ですので懐かしんで読んでみて下さい。

【マグマ編】

――あの男が初心に返った。

ドスJr.のビザ不備によって突然消えたミルコ戦。 カードは当日まで「X」とされていた。 コールされ、先に入場するミルコ。先に入場して逆コーナーを睨む。 氷のような視線だが、彼は知っていた。

「今日の相手はイージーだ」と。

だがその眼からスナイパーの殺気が消えることはなかった、スイッチは入っている。

誰が出てくるんだ。誰が名乗りを上げたんだ。まさか高田が復帰か?桜庭か? それとも……。

会場が緊張する。そしてPRIDE武士道の会場に響き渡ったのは、あの曲だった。

『Take the Dream!Like the Storm!』

シャウトする女性ヴォーカルに会場が一気に沸き返る。 まさか、まさかだった。

続くギターフレーズとドラムサウンド、大量のスモークが焚かれゲートに浮かんだシルエット。 「マグマ」も「ど真ん中」も脱ぎ捨てた、あの男がいた――。



さいたまスーパーアリーナは騒然としていた。 ドームに比べれば決して大きいとはいえない会場。 だが、そこには確かに熱狂があった。

思えばWJ旗揚げ戦以来久しぶりに歩く、演出付きの花道。 しかし彼は会場を見回しもせず、一直線へリングへと向かった。

ケージではない、オクタゴンでもない。 ましてや彼が慣れ親しんだプロレスのリングでもない、 ノールールの四角い戦場へ。

ロープをくぐる、リング内へ。だがいつものポーズさえなかった。 コスチュームも、ガウンもない、ヘッドキャップもない。 DSEチェックの入ったバンテージの上には水色のオープンフィンガーグローブ。 装飾のない無地のショートスパッツは黒。足下だけは、慣れた感触を求めて グリップの効いたリングシューズにした。紐はややきつめに巻いてある。

――なんであいつが? 勝てるわけがない。 期待はずれだよ。

会場はまだ騒然としている、観衆の大半は彼の事を知っていた。 彼にとっては悲しいかな、「強者」として、ではなかったが。 冷静に見れば、勝敗は既に決している。だが興奮を隠しきれない者達もいた――。



彼には自分の成すべき事がわかっていた。

打ち合わせなど必要なかった。話が来たとき、自分のすべき事を全て悟った。 だから、聞き慣れぬアクセントでのコールに少し右拳をあげたときにも、 彼は表情一つかえなかった。

コーナーポストに額を押しつけるようにして、瞑目する。ゴングを待つ。

そして、鐘が、鳴った。

「ヴァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」

裂帛の気合いと共に彼はコーナー下のマットを蹴り、ミルコに突進する。

己の人生の、全てを託した「右腕」を振りかざしながら。

<了>


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最終更新日: 2016-03-06 (日) 00:13:00 (1011d) HTML生成時間: 0.042 秒
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